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大きな犬


夢の話だ。 小さなねずみと 旅をした。 ヨーロッパのどこか。 ねずみはポケットの中。 石畳の上。 2匹の散歩中の 犬がいた。 とつぜん。 大きな犬が 小さい犬に 噛みつく。 小さい犬は 毛がなく裸。 歯型がつくだろう。 血がにじみでる。 大きな犬は離れない。 大きな犬の飼い主は 必死に飼い犬を なだめるがやめない。 このままでは 小さい裸の犬は 食べられてしまうと 見ていられなくて その場から離れる。 噴水のそばで。 お天気がよかったものだから ねずみをポケットから出してやると 気持ちよさそうに 目をつぶる。 とてもいい顔 をしているね。 我ながら ほれぼれする 私のねずみを 写メろうと ケータイを 近づけると 指にねずみが 噛みつく。 さっき 大きな犬が 小さい犬に 噛み付いたように ねずみの歯が ぐりぐり 私の指に食い込んでいく。 指がこのまま ちぎれてしまうのではと思う。 なんとなく その場で 思うことがあった。 考える余裕があった。 痛くなかったから。 血は出てるけど 痛くはなかった。 バカなことをしたもんだ。 背後で 大きな犬が 唸った後 ワンと にぶい声で吠える。 すると ねずみは 驚いて口を開ける。 なにごとも なかったかのように すまし顔。 先日みた夢の話だ。


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